Coolief（クーリーフ） による膝関節症の治療とは、痛みを感じる神経（感覚神経）に対して、高周波（ラジオ波と呼ばれる電磁波）を流し、感覚神経を部分的に焼灼（組織を焼いて破壊する外科的治療法）し、痛みを軽減する治療です。
運動神経を避けつつ、痛みの原因となる知覚神経のみを一定の範囲で焼灼します。
これまでの電磁波治療と異なりプローブ先端を冷却することで先端電極の温度上昇を抑え安全に必要十分な焼灼を行うことが可能です。
高周波焼灼前に微弱な電流を流し、運動神経を同定し損傷を防ぎます。
期待される効果
変形性膝関節症による痛みが改善されることが期待されます。
海外で行われた試験では、治療後6か月時点で、約74.1%の患者様が治療前よりも痛みを感じる程度が減ったという結果でした。
予想されるデメリット
低い割合ではありますが、下記のような不利益が生じる可能性があります。
* 針を刺す際の痛み
* 感染
* 皮膚トラブル
1 診断・評価
まずは、Coolief（クーリーフ）の治療が対象となるか受診いただきます。必要に応じてレントゲン、MRI検査を行います。
2 テストブロック
エコー検査にてお膝の痛みの原因となる神経を探し、この神経に局所麻酔をかけ、痛みが軽減するか確かめます。
3 Cooliefによる本治療
Cooliefの治療針を刺す部位に、局所麻酔をすることで治療中の痛みをとります。
4 注射
麻酔の効果を確認できれば、Coolief（クーリーフ）の針を刺します。STEP3で麻酔をしていますので、ほとんど痛みを感じることはありません。痛みがある場合は、状況に応じて麻酔薬を追加注射します。
5 神経焼灼
Coolief（クーリーフ）の針から高周波を流し、ターゲットとなる神経を焼灼します。1部位あたり2分30秒高周波を流します。神経焼灼中は局所麻酔をしているので、ほとんど痛みを感じることはありません。
6 体調確認
治療後、体調に問題がないことを確認させていただきます。
7 次回診療予約
経過診察のための次回診療予約を行い、ご帰宅いただきます。
Q1 Coolief（クーリーフ）は保険診療ですか？
A. 基本的には保険適応ですが、状態により保険が適応できない場合がありますので、医師の診察を受けてください。
Q2 痛み止めの薬や注射、手術が必要なくなりますか？
A. 痛みが０になるわけではなく、痛みの軽減が期待されています。痛み止めの薬や注射の量や回数が減ることは期待できます。また、曲がった足を整える治療ではないため、必ずしも手術を避けられるわけではありません。 しかし、これまで行われた臨床試験の結果からも変形性膝関節症の慢性疼痛への効果が期待でき、最新の保存療法と言えます。
Q3 入院は不要ですか？
A. 不要です。外来で60分程度で治療ができます。
Q4 人工膝関節置換術を受けましたが、痛みが残っています。Coolief（クーリーフ）は受けられますか？
A. まずは診察を行い痛みの原因を追求します。Coolief治療が可能と判断すれば受けられますが、現時点では人工関節術後の膝は健康保険の適応がありません。詳しくは主治医にご相談ください。
Q5 Coolief（クーリーフ）での治療後、すぐに痛みは軽減しますか？
A.治療後これまで感じていた痛みがなくなる/大幅に改善するといった効果を感じる事がありますが、これは局所麻酔の効果です。Coolief（クーリーフ）による疼痛軽減効果は徐々にでてきます。早い方ですと2日〜1週間程度で効果を感じ始める方がいらっしゃいます（個人差があります）。
Q6 Coolief（クーリーフ）での治療によって、リハビリの頻度は少なくなりますか？
A. Coolief（クーリーフ）の治療だけで痛みの治療が完了するわけでなく、治療後もリハビリを受けていただきます。筋力低下やバランス改善を行い治療効果の持続を目指します。
